試用期間での退職はできる?辞めるまでの手順と注意点、デメリット

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試用期間での退職はあり?辞める時の手順と注意点・デメリット

更新日 2026-10-05

試用期間での退職はあり?辞める時の手順と注意点・デメリット(試用期間ナビの記事)
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試用期間中に働いている人のために、労働基準法・労働契約法の条文と厚生労働省の資料を確かめて記事を書いています。個別の判断が必要なときは、労働局の総合労働相談コーナーや弁護士への相談をおすすめしています。

試用期間での退職は、本採用の後と同じルールでできます。正社員のように契約期間の定めがない人は、退職を申し入れた日から2週間がたつと雇用が終わり、会社の許可は要りません(民法627条1項)。会社が合意すれば、2週間を待たずに辞めることもできます。

契約社員などで契約期間が決まっている人は扱いが違い、期間の途中で一方的に辞められるのは「やむを得ない事由」がある時です(民法628条)。この記事では、契約の種類ごとに辞められる時期を早見表にまとめ、退職日の数え方、伝える手順、辞めた後の給料・保険・書類の扱いと退職証明書の請求文例まで、試用期間で辞める人が今日やることの順に説明します。

この記事の要点

  • 試用期間中も労働契約はすでに結ばれている。辞める時のルールは本採用の後と同じ
  • 期間の定めがない契約は、申し入れから2週間で終わる。会社の承認は要らない
  • 契約期間の途中で辞められるのは、やむを得ない事由がある時か、会社が合意した時
  • 給料は働いた日の分が全額支払われる。健康保険の資格は退職日の翌日になくなる

試用期間中でも退職できる|ルールは本採用後と同じ

試用期間は「お試しの期間」と呼ばれますが、法律上は会社と働く人の労働契約がすでに成立している期間です。厚生労働省「確かめよう労働条件」の裁判例の解説では、試用期間の付いた契約は、会社が解約権を留保した労働契約と整理されています(神戸弘陵学園事件・最高裁 平成2年6月5日)。

そのため、試用期間内の退職も、本採用の後の退職も、使うルールは同じです。「試用期間中は辞められない」も「試用期間ならいつでもその日のうちに辞められる」も正しくありません。正社員が試用期間中に退職する場合は、民法627条1項が当てはまります。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。(民法627条1項)

厚生労働省のモデル就業規則の解説でも、期間の定めのない雇用では、会社の承認がなくても、申し出から原則として14日がたてば退職になると説明されています。自分から辞めること(自主退職)に、会社の許可は条件になっていません。

まず雇用契約書の「契約期間」を確かめる

どのルールを使うかは、契約期間の定めがあるかどうかで決まります。雇用契約書か労働条件通知書の「契約期間」の欄を見てください。労働条件通知書は、会社が契約を結ぶ時に書面で渡すことになっている書類で、契約期間や「退職に関する事項」も書く決まりです(労働基準法15条1項・同法施行規則5条)。

  • 期間の定めなし:民法627条1項(申し入れから2週間)
  • 期間の定めあり(〇年〇月〇日まで):民法628条(やむを得ない事由がある時)

求人に「正社員」とあっても、試用期間の間だけ期間の決まった契約にしている会社もあります。書類で確かめてから動いてください。

辞めるか続けるかを決める目安について詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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【早見表】契約の種類別|試用期間で辞められる時期と根拠

あなたの状況 いつ辞められるか 根拠 今日やること
期間の定めがない(正社員など) 申し入れから2週間で終わる 民法627条1項 退職日を決めて上司に申し入れる
会社が退職日に合意した 合意した日(その日のうちも可) 会社との合意 合意した退職日をメールや書面に残す
期間の定めがあり、期間の途中 やむを得ない事由があれば直ちに 民法628条 事情を説明し、合意での退職も相談する
期間の定めがあり、満了日が近い 満了日で終わる(更新しない) 契約期間の満了 更新しないことを早めに伝える
契約時に明示された条件が実際と違う すぐに契約を解除できる 労働基準法15条2項 書面と実際の違いを書き出す

就業規則に「退職は1か月前までに申し出ること」などと書いてある会社もあります。厚生労働省の裁判例のページでは、2週間を超える予告期間の設定や、退職を会社の許可制にする決まりは、退職の自由を制限するので無効とする方向が示されています。ただ、円満に辞めたい場合は、就業規則の日数に合わせられないかも考えたうえで相談すると、話がまとまりやすくなります。

労働条件の違いを理由に辞める場合、労働基準法15条2項の対象は「契約を結ぶ時に明示された労働条件」です。労働条件通知書や雇用契約書と、実際の給料・仕事の内容・勤務時間を並べて確かめてください。

期間の決まった契約で試用期間中の人の辞め方について詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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退職日の数え方|申し入れた日の14日後が最後の在籍日

2週間は、申し入れた日の翌日から数えます。期間の初日は数えない決まりで(民法140条)、週で決めた期間は、最後の週の起算日に当たる日の前日に終わるためです(民法143条2項)。結果として、申し入れた日の14日後(2週間後の同じ曜日)が最後の在籍日になります。

申し入れた日 数え始める日 雇用が終わる日
月曜日 翌日の火曜日 2週間後の月曜日
金曜日 翌日の土曜日 2週間後の金曜日
1日 2日 15日

土日や祝日、会社の休みの日も数に入ります。申し入れた日から退職日までは、出勤するか、休む日は会社に伝えて休みます。年次有給休暇は、入社から6か月続けて働き、決められた日の8割以上出勤して付くので(労働基準法39条1項)、試用期間中はまだないことが多いです。

試用期間の最終日で辞めたい時は、最終日の14日前までに申し入れます。会社と話し合って退職日を決めた時は、言った・言わないにならないよう、日付をメールか書面で残してください。

試用期間で辞める手順|確認から最終日まで6ステップ

  1. 書類を確かめる:雇用契約書・労働条件通知書の契約期間と、就業規則の退職の章(何日前までに・誰に・どの書式で)。就業規則がある会社は、働く人がいつでも見られるようにしておく決まりです(労働基準法106条)
  2. 退職日を決める:申し入れる日の14日後以降で決める。就業規則の日数に合わせられるなら、それも考える
  3. 直属の上司に伝える:始業前か終業後に、個別に話す時間をもらう。言い出しにくい時は「ご相談したいことがあるので、10分ほどお時間をいただけますか」とだけ伝えて場を作る
  4. 退職届を出す:会社の書式があればそれに書く。出した日と退職日が分かる控えを残す
  5. 引き継ぎと返却:担当業務のメモを作り、社員証・パソコン・制服・資料などを返す
  6. 書類を受け取る:源泉徴収票・離職票・退職証明書など(下の「受け取る書類」の表)

民法627条は申し入れのやり方を決めていないので、口頭で伝えても申し入れになります。ただ、2週間をいつから数えるかで食い違わないよう、メールや退職届で日付を残しておきます。退職届は、会社に決まった書式がなければ、退職日と「一身上の都合により退職する」こと、提出日、氏名を書いた1枚で足ります。

上司に伝える時の理由の言い方や、退職届の書き方の例について詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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引き止められた・辞めさせてもらえない時の対処

期間の定めがない契約なら、会社が認めなくても、申し入れから2週間で雇用は終わります。「後任が見つかるまで待って」「試用期間が終わるまでは辞められない」と言われても、法律上は辞められます。

会社から言われがちなことと、確かめる条文や公式資料を並べます。

会社から言われたこと 条文・公式資料での扱い
退職は認めない 期間の定めがない契約は、会社の承認なしに2週間で終わる(民法627条1項)
就業規則で3か月前と決まっている 2週間を超える予告期間の設定は無効とする方向(厚生労働省の裁判例のページ)
辞めるなら違約金を払ってもらう 違約金や損害賠償額をあらかじめ決める契約は禁止(労働基準法16条)
損害賠償を請求する 当然に認められるものではなく、会社に損害が出たか、退職が原因かで判断される(厚生労働省Q&A)
途中で辞めたら今月の給料は払わない 働いた分は全額払う決まり(労働基準法24条)。退職後に請求すれば7日以内に払う(同法23条)

退職届を受け取ってもらえない時は、退職日を書いた退職届を、配達の記録が残る方法で郵送します。話し合いがこじれた時や、辞めると伝えてから嫌がらせを受けた時は、総合労働相談コーナーに相談できます。

自分で会社に伝えるのが難しい人は、退職代行を使う方法もあります。ただし、退職日や未払いの給料などを会社と交渉できるのは、弁護士か労働組合が運営するものだけです。弁護士でない人が報酬を得て法律事件の代理や和解などを仕事にすることは禁止されており(弁護士法72条)、労働組合には組合員のために会社と交渉する権限があります(労働組合法6条)。民間企業が運営するものは、退職の意思を伝えることしかできません。

試用期間中の即日退職や、出社せずに辞める方法について詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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試用期間中に辞めるとどうなる?給料・保険・書類の扱い

給料は働いた日の分が全額支払われる

試用期間中に辞めても、働いた日の給料は全額支払われます(労働基準法24条)。ふだんの給料日に払われるのが普通ですが、退職後に本人が請求すれば、会社は7日以内に払わなければなりません(同法23条)。制服代などを給料から差し引くことも、法令の定めか労使の書面協定がなければできません。

健康保険と年金を切り替える

会社の健康保険は、退職日の翌日に資格がなくなります(健康保険法36条)。次の会社にすぐ入らない場合は、次のどれかを選んで手続きします。

選ぶ先 手続き先 条件・期限
国民健康保険 住んでいる市区町村 市区町村の国民健康保険の窓口で確認
家族の健康保険の扶養 家族の勤め先 扶養の条件を満たすこと
任意継続 加入していた健康保険(協会けんぽなど) 退職日までに継続して2か月以上加入/退職日の翌日から20日以内

任意継続は「退職日までに被保険者期間が継続して2か月以上」が条件なので(協会けんぽ)、入社して2か月以内に辞める場合は使えないことがあります。会社から資格確認書などを受け取っている場合は、退職日に返します。

年金は、次の会社にすぐ入らない場合、住んでいる市区役所か町村役場で、国民年金の第1号被保険者になる手続きを退職日の翌日から14日以内に行います(日本年金機構)。配偶者の扶養に入る場合は、配偶者の勤め先を通して手続きします。

受け取る書類

書類 使う場面 受け取り方
源泉徴収票 次の会社の年末調整、確定申告 年の途中で辞めた人には、退職の日から1か月以内に渡す決まり(所得税法226条)
離職票 失業保険の手続き 本人が希望しない時は作られないことがある(雇用保険法施行規則7条3項)。要るなら会社に伝える
退職証明書 在籍期間や退職の事由の証明 請求すれば会社は遅滞なく出す(労働基準法22条)。離職票とは別に請求できる

退職証明書を請求する時の文例

退職証明書は、自分が書いてほしい事項だけを選んで請求でき、会社は請求されていない事項を書いてはいけない決まりです(労働基準法22条3項)。たとえば、賃金を書いてほしくない時は、その項目を外して頼めます。メールか書面で、次のように送ります。

〇〇部 〇〇様 〇年〇月〇日付で退職した〇〇です。労働基準法22条にもとづき、退職証明書の交付をお願いいたします。記載をお願いしたい事項は、使用期間、業務の種類、退職の事由です。お手数ですが、下記の住所あてに郵送してください。 住所:〇〇〇〇

請求したのに出してもらえない時は、労働基準監督署に相談できます。請求は退職の時から2年以内であればでき、回数の制限もありません(厚生労働省Q&A)。

失業保険は加入期間が足りないことがある

失業保険(雇用保険の基本手当)は、原則として、離職の日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あることが条件です(雇用保険法13条1項)。試用期間中に辞める人は、今の会社の期間だけでは足りないことが多く、前の勤め先の期間と通算して届くかどうかで変わります。

会社から辞めるよう勧められて辞めた場合は、自分の都合で辞めた場合と扱いが変わることがあります。離職票の離職理由が事実と違う時は、ハローワークに異議を伝えて事情を説明できます(厚生労働省Q&A)。

試用期間で辞めた時の失業保険の扱いについて詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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試用期間1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月で辞める時の注意点

試用期間一ヶ月で退職する場合も、三ヶ月の試用期間の終わりに辞める場合も、退職のルールは同じです。時期によって変わるのは、保険や休暇の扱いです。

辞める時期 退職のルール この時期に気をつけること
入社から2週間以内 申し入れから2週間(変わらない) 「14日以内なら即日退職できる」は誤解。会社が解雇する時の予告の決まり(労働基準法21条)と混同されている
1か月前後 同じ 健康保険の任意継続は加入2か月以上が条件。国民健康保険か家族の扶養を考える
試用期間3か月の終わり 同じ 試用期間の最終日で辞めるなら、14日前までに申し入れる
6か月前後 同じ 6か月続けて働き、8割以上出勤すると年次有給休暇が付く(労働基準法39条1項)
試用期間が終わった後 同じ 本採用の後も、期間の定めがなければ2週間のルールは変わらない

試用期間で辞めるデメリットと、早く決めるメリット

「辞めるなら試用期間のうちに」と考える人もいますが、試用期間内に辞めるから辞めやすい、という法律上の決まりはありません。会社を試用期間で辞める場合に違いが出るのは、職歴やお金の面です。

デメリット 対策
在籍期間の短い職歴が残る 履歴書への書き方と、面接での説明を用意しておく
失業保険の加入期間が足りないことがある 辞める前に次の仕事の目処をつける
任意継続が使えないことがある 国民健康保険か家族の扶養を選ぶ
年次有給休暇がなく、退職日までに休んだ日は欠勤になる 退職日を早めに決め、休む日は会社に伝える
収入が途切れる 在職中に応募を始め、次の入社日から逆算して退職日を決める

一方で、早く決めるほど引き継ぐ仕事が少なく、会社も次の採用に早く動けます。合わない環境で体調を崩す前に動けることも、早めに決める利点です。

試用期間で辞めた職歴の履歴書への書き方について詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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退職を伝える前のチェックリスト

伝えた後にあわてないよう、次の7つを先に確かめておきます。

  • 契約期間:雇用契約書に期間の定めがあるか、満了日はいつか
  • 就業規則の退職の章:何日前までに、誰に、どの書式で出すか
  • 給料の締め日と支払日:最後の給料がいつ、いくら入るか
  • 会社から借りている物:社員証・パソコン・制服・資料・資格確認書など
  • 退職後の健康保険と年金:国民健康保険・家族の扶養・任意継続のどれにするか
  • 失業保険:受ける予定があるか、離職票が要るか
  • 次の仕事:入社日が決まっているか

入って間もないのに辞めるのは申し訳ない、と言い出せずにいる人もいます。辞めることは法律で認められた選択で、引き継ぎのメモを残して手順どおりに進めれば、会社の負担も小さくできます。

試用期間で辞めるのが気まずい・迷惑ではないかと感じる時の伝え方について詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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試用期間の退職で困った時の相談先

相談先 相談できること 受付
総合労働相談コーナー 辞めさせてもらえない、嫌がらせ、退職をめぐるトラブル全般 各都道府県の労働局や労働基準監督署などにある。無料・予約不要(土日祝・年末年始は休み)
労働条件相談ほっとライン 給料や労働時間など、労働基準法などに関わる相談 0120-811-610。平日17〜22時、土日祝9〜21時(年末年始を除く)。無料・匿名で相談できる
労働基準監督署 給料が払われない、退職証明書を出してもらえない 会社の所在地を受け持つ労働基準監督署
弁護士 損害賠償を請求された、退職日などを会社と交渉したい 法律事務所、弁護士会の法律相談など

よくある質問

入社して2週間で退職できますか?

できます。期間の定めがない契約なら、入社した次の日でも申し入れはでき、申し入れから2週間で雇用は終わります。会社が合意すれば、もっと早く辞めることもできます。

試用期間中に退職する人は多いですか?

試用期間に限った公的な統計はありません。参考として、厚生労働省の集計では、2024年(令和6年)3月に大学を卒業して就職した人の10.1%、高校を卒業して就職した人の16.6%が、就職して1年目のうちに離職しています。

「明日から来なくていい」と言われたら、自分から辞めたことになりますか?

なりません。会社が一方的に辞めさせるのは解雇で、自分からの退職とは別です。試用期間中で入社から14日以内なら、解雇予告や予告手当は要りませんが(労働基準法21条)、解雇は「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」は無効です(労働契約法16条)。辞めるよう勧められただけなら、応じるかどうかは自分で決められます(厚生労働省の退職勧奨の裁判例のページ)。納得できないまま退職届を書く必要はありません。

退職の申し入れは、メールでもいいですか?

民法627条は申し入れの方法を決めていないので、メールでも申し入れになります。ただ、上司が読んだかどうかで食い違うことがあるので、メールを送った後に電話か口頭でも伝え、就業規則で退職届の提出が決まっていれば、それも出してください。

出典