試用期間で本採用見送りになるのはどんな時?理由と、された時の対処

クビ・本採用見送りが不安

試用期間の本採用見送り(本採用拒否)とは?理由と、された時の対処

更新日 2026-10-05

試用期間の本採用見送り(本採用拒否)とは?理由と、された時の対処(試用期間ナビの記事)
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試用期間中に働いている人のために、労働基準法・労働契約法の条文と厚生労働省の資料を確かめて記事を書いています。個別の判断が必要なときは、労働局の総合労働相談コーナーや弁護士への相談をおすすめしています。

本採用見送り(本採用拒否)とは、試用期間の終わりに会社が本採用をせず、雇用を終わらせることです。試用期間中でも労働契約はすでに成立しているので、本採用見送りは法律上は解雇として扱われます。

そのため会社は「試用期間だから」というだけでは本採用を見送れず、客観的に合理的な理由があり、社会通念上も相当といえる場合に限って認められます(最高裁の三菱樹脂事件、労働契約法16条)。この記事では、本採用見送りの理由になりやすいこと、通知を受けた日にやること、納得できない時の相談先を、言われた内容別の早見表とあわせて説明します。

この記事の要点

  • 本採用見送り(本採用拒否)は、法律上は解雇。試用期間中は通常より広く認められるが、合理的な理由と社会通念上の相当性がなければ無効になる
  • 入社から14日を超えていれば、30日前の予告か、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)が必要
  • 理由がはっきりしない時は、解雇の理由を書いた証明書を請求できる(労働基準法22条)
  • 退職届や合意書には、その場でサインしない。自分から辞める形になると、解雇として争うことが難しくなる
  • 納得できない時は、総合労働相談コーナー(無料・予約不要)に相談できる

本採用見送り(本採用拒否)とは?法律上は解雇にあたる

試用期間は、入社した人の能力や適格性を見極めるために、会社が契約を解約する権利を残しておく期間とされています(東京都「ポケット労働法」)。最高裁は三菱樹脂事件で、採用の時点では適格性を判断する材料を十分に集められないので、最終的な判断をあとに残す趣旨だと説明しています。

この残しておいた解約の権利を使って、試用期間の終わりに雇用を打ち切ることが、本採用見送り(本採用拒否)です。神戸弘陵学園事件の最高裁判決も、試用期間付きの契約が期間満了で終わるのは、本採用の拒否が許される場合でなければならないとしています。

会社によって呼び方は違いますが、意味はほぼ同じです。

会社の言い方 法律上の意味
本採用見送り・本採用拒否 試用期間の終わりに、会社が雇用を終わらせる(解雇)
試用期間満了で終了・試用期間満了で解雇・満了でクビ 同じ。「満了」と言われても、会社から終わらせるなら解雇
不採用・試用期間後に本採用しない・本採用されない 同じ。試用期間で不採用の通知を受けた場合も解雇として考える
試用期間後に正社員になれない(契約社員なら可) 雇用は続くが、労働条件を変える提案。受けるかどうかは自分で決める

本採用拒否と解雇の違い

本採用拒否と解雇の違いは、「どのくらい広く認められるか」です。厚生労働省の裁判例のまとめでは、試用期間中の解約は通常の解雇よりも広い範囲で認められる一方、その場合でも、試用期間を設けた目的から見て客観的に合理的な理由があり、社会通念上も相当といえる場合に限られると整理されています。

比べる点 試用期間の本採用拒否 本採用後の解雇
法律上の扱い 解雇 解雇
認められる範囲 通常より広い。ただし合理的な理由と相当性が必要 労働契約法16条で判断(理由と相当性が必要)
解雇予告・予告手当 入社から14日を超えていれば必要 必要
解雇理由証明書 請求できる 請求できる

「試用期間後の解雇」「終了後の解雇」という言い方は、期間の終わりに本採用しないこと(試用期間後の本採用拒否)を指す場合と、本採用になった後の解雇を指す場合があります。どちらの意味でも解雇にあたるので、理由が必要な点は変わりません。「試用期間終了で解雇」「試用期間後にクビ」と言われた時も同じです。

試用期間の途中で解雇される場合も、満了時の本採用見送りと同じく解雇にあたるので、客観的に合理的な理由と、社会通念上の相当性の両方が求められます(労働契約法16条)。「14日以内なら自由に解雇できる」というのも誤解で、14日以内は予告や予告手当が要らないだけです。

試用期間中の解雇が違法になる場合について詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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試用期間の本採用拒否が認められる条件と判例

本採用拒否が認められるのは、採用の時点では分からなかった事実が分かり、雇い続けるのが適当でないと判断することに、客観的に合理的な理由がある場合です。東京都の「ポケット労働法」は、採用前に知ることのできなかった重大な事実が判明した場合を例に挙げ、その場合でも社会通念上相当といえる具体的な事情が必要だとしています。

本採用拒否の判例(厚生労働省のページで確認できるもの)

厚生労働省「確かめよう労働条件」で紹介されている、試用期間に関わる主な判例です。

判例 裁判所・日付 どんな事案か 判断のポイント
三菱樹脂事件 最高裁大法廷・昭和48年12月12日 大学卒業と同時に採用された人が、3か月の試用期間が終わる直前に本採用を拒否された。会社は、在学中の学生運動への関与を申告しなかったことなどを理由にした 残しておいた解約権を使えるのは、その目的から見て客観的に合理的な理由があり、社会通念上も相当と認められる場合だけ。高裁判決を破棄して差し戻し、差し戻し後に和解が成立して本人は職場に復帰した
神戸弘陵学園事件 最高裁第三小法廷・平成2年6月5日 私立高校の講師が「契約期間は1年」として期間満了で雇用を終えられた 適性を見るための期間なら、期間満了で当然に終わるという明確な合意などがない限り試用期間と考える。期間満了で終わるのは、本採用の拒否が許される場合に限られる
ブラザー工業事件 名古屋地裁・昭和59年3月23日 見習社員・試用社員と段階を経たあと、社員登用試験に合格せず解雇された 適性の判断に必要な合理的な期間を超える長い試用期間は、公序良俗に反し、その限りで無効。解雇は無効と判断された

神戸弘陵学園事件のように、「1年契約」「3か月の有期契約」と書かれていても、目的が適性を見ることなら試用期間と判断されることがあります。契約書の形だけで「期間満了だから終わり」と決まるわけではありません。

本採用見送りの理由になりやすいこと

本採用見送りの理由(本採用拒否の理由)として会社が挙げることが多いのは、勤務状況・知識や能力・素行(ふだんの行い)・健康状態です。試用期間で不採用になる理由も同じです。2004年に企業を対象に行われた調査(労働政策研究・研修機構、複数回答)では、本採用しない場合の判断理由として、次の割合が挙がっていました。

判断理由 挙げた企業の割合
欠勤などの勤務状況 81.2%
仕事上の知識・能力 75.7%
素行 69.0%
健康状態 63.1%

※試用期間の終わりに本採用しないことがあると答えた企業の回答。「その他」には、採用時の経歴の偽り、必要な資格を取れなかった、などがありました。少し古い調査なので、傾向をつかむ目安として見てください。

理由ごとに、確認されやすい点をまとめます。

本採用見送りの理由 会社が挙げる例 確認されやすい点
勤務状況 遅刻・欠勤・無断欠勤が続く 回数や期間。注意や指導を受けて改める機会があったか
仕事上の知識・能力 ミスが多い、仕事を覚えるのが遅い 平均より低いだけか、著しく劣り、指導しても向上の見込みがないか
素行・勤務態度 指示に従わない、周りとトラブルが続く 具体的な出来事と、注意・指導の記録があるか
健康状態 病気やけがで休みが続く 仕事が原因のけが・病気で休業している間とその後30日は解雇できない(労働基準法19条)
経歴 申告した経歴や資格が事実と違う 採用の判断に関わる重要な経歴か

厚生労働省のモデル就業規則でも、解雇の事由の一つに「試用期間における作業能率又は勤務態度が著しく不良で、労働者として不適格であると認められたとき」が挙げられています。「著しく」とあるように、少し劣るだけで当然に認められるわけではありません。

「能力不足」を理由にされた場合の判断のポイントや、言われた時に今日からできることについて詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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法律で本採用見送り(解雇)が禁止されている場合

次の理由での本採用見送りは、試用期間中でも法律で禁止されています。

禁止されている場合 根拠
仕事が原因のけが・病気で休業している間とその後30日 労働基準法19条
産前産後の休業の間とその後30日 労働基準法19条
結婚・妊娠・出産、産前産後休業の請求などを理由とする解雇。妊娠中と出産後1年以内の解雇は、会社が妊娠などを理由としないことを証明しない限り無効 男女雇用機会均等法9条
労働基準監督署に法律違反を申告したことを理由とする解雇 労働基準法104条2項
労働局に助言・指導やあっせんを求めたことを理由とする解雇 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律4条3項・5条2項

本採用見送りの確率はどのくらい?企業調査の数字

本採用見送りがどのくらい起きるかについて、2004年の企業調査(労働政策研究・研修機構)では、試用期間を設けている企業のうち、試用期間の終わりに「本採用しないことがあり、ここ5年間に事例がある」と答えた企業は13.1%、「企業の側から本採用にしないことはない」は27.4%でした。会社単位の古い数字なので、一人ひとりの確率ではない点に注意してください。

試用期間でクビになる確率と、よほどのことがない限り本採用される理由について詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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本採用見送りの通知はいつ来る?通知書と予告のルール

会社が試用期間の終わる日で雇用を終えるには、入社から14日を超えていれば、30日前までに予告するか、足りない日数分の平均賃金(解雇予告手当)を払う必要があります(労働基準法20条・21条)。予告なしで「明日から来なくていい」と言う場合は、30日分以上の解雇予告手当が要ります。例外は、労働基準監督署長の認定を受けた場合などに限られます。

先ほどの2004年の調査では、本採用しない時の本人への伝え方は「口頭で通知する」が70.8%、「文書で通知する」が22.6%でした。伝える時期は「期間が終わる前に余裕をもって伝える」が45.7%で、その企業のうち「1か月程度前」が48.6%と最も多くなっていました。口頭だけで告げられることも多いので、次の手順で書面を残します。

試用期間満了の本採用拒否通知書・本採用見送り通知書で確認すること

通知書を受け取ったら、次の項目を確認します。

  • 日付:通知の日と、雇用が終わる日(最終日)
  • 扱い:「解雇」なのか、「退職」「合意退職」と書かれていないか
  • 理由:就業規則の何条に当たり、どんな事実が理由とされているか
  • 予告手当:最終日までが30日に足りない場合、予告手当が払われるか
  • 退職に関する書類:離職票・源泉徴収票などをいつ受け取れるか

入社から14日目がいつか、試用期間中の解雇予告と予告手当の計算について詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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本採用見送りを告げられたら今日やること(5ステップ)

本採用拒否された日にやることを、順番にまとめます。

  1. 退職届・合意書にその場でサインしない:「自分から辞めた」形になると、あとで解雇として争うことが難しくなります。持ち帰って考える、と伝えて構いません
  2. 最終日と予告の有無を確認する:最終日までが30日に足りないなら、予告手当が払われるかを確認します
  3. 解雇理由証明書を請求する:予告された日から退職の日までの間に請求できます。退職したあとも、退職の事由(解雇の理由を含む)の証明書を請求できます(労働基準法22条)
  4. 記録を集める:労働条件通知書・雇用契約書、就業規則(試用期間と解雇の条文)、評価や指導のメール、面談の日付と内容のメモ、出勤の記録
  5. 争うか、次に進むかを決める:納得できなければ相談先へ。受け入れる場合も、予告手当と離職票の離職理由は確認します

厚生労働省の通達では、解雇の理由は具体的に書く必要があり、就業規則の条項に当たることが理由なら、その条項の内容と当てはまる事実まで書かなければならないとされています(確かめよう労働条件Q&A)。厚生労働省が示したモデル様式も、「勤務態度又は勤務成績が不良であること」などの区分に、具体的な内容を書き込む形です。会社が交付しない時は、労働基準監督署に相談できます。

解雇理由証明書を請求するメールの例文

件名:解雇理由証明書の交付のお願い 〇〇部 〇〇様 〇月〇日に、試用期間満了をもって本採用しないとのお話をいただいた〇〇です。 労働基準法第22条に基づき、解雇の理由を記載した証明書の交付をお願いいたします。就業規則の該当する条項と、該当すると判断された具体的な事実(試用期間中のいつの、どの業務についての評価か)もあわせてご記載ください。 お手数ですが、ご対応のほどよろしくお願いいたします。

「自分から辞めてほしい」と言われた時の返事の例

会社が解雇ではなく、自分から辞めるよう勧めること(退職勧奨)もあります。厚生労働省の裁判例のまとめでは、勧められた人は理由を問わず、自分の意思で断ることができ、意思決定を妨げるような勧め方は不法行為になる場合があると整理されています。

退職のお話については、この場ではお返事できません。会社として本採用しないというご判断であれば、その理由を書面でいただけますでしょうか。

一方、やむを得ず同意した場合でも、同意した以上は退職としての効力が生じるとされています(確かめよう労働条件Q&A)。サインする前に、条件と離職理由の書き方を確認してください。

言われた内容別|本採用見送りの早見表

会社から言われた言葉によって、意味とやることが変わります。

言われたこと どういう意味か 今日やること
「試用期間満了をもって本採用しません」「今回は不採用です」 本採用見送り(解雇) 最終日までの日数を数え、予告手当の有無を確認する。解雇理由証明書を請求する
「このままだと本採用は難しい」(期間の途中) まだ本採用見送りが決まったわけではない 改善してほしい点・期限・評価する人を聞き、話した内容をメールで残す
「試用期間を延長して様子を見たい」 本採用の判断の先送り 就業規則の根拠、延長の理由、新しい終わる日を書面で確認する
「正社員での本採用は見送るが、契約社員(パート)でなら続けられる」 労働条件を変える提案 期間・給料・仕事内容を書面で確認してから返事する。労働条件は合意で変えるのが原則(労働契約法8条)
「本採用は難しいので、自分から退職届を出してほしい」 退職勧奨。解雇ではない その場でサインしない。断ることもできる
「試用期間は今日で終わり。明日から来なくていい」 予告なしの本採用見送り(入社14日を超えていれば予告手当の対象) 30日分以上の予告手当が払われるかを確認し、解雇理由証明書を求める

試用期間の延長が認められる条件と、延長を告げられた時の確認点について詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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本採用見送りに納得できない時の相談先

会社と話しても納得できない時は、公的な窓口に相談できます。

相談先 できること 費用
総合労働相談コーナー(各都道府県労働局、全国の労働基準監督署内など) 解雇・本採用見送りの相談。労働局長の助言・指導、あっせんの案内 無料・予約不要
労働基準監督署 予告手当が払われない、解雇理由証明書を出さないなど、労働基準法違反の疑いへの対応 無料
紛争調整委員会のあっせん(都道府県労働局) 弁護士・大学教授・社会保険労務士などの専門家が間に入り、話し合いを進める。非公開 無料
個別労働紛争のあっせん(都道府県労働委員会) 公益・労働者・使用者の代表がそろって間に入り、話し合いを進める。名称や扱いは都道府県で違う 無料(郵送の切手代などがかかる所もある)
労働審判(地方裁判所) 原則3回以内の期日で審理。まず話し合い(調停)を試み、まとまらなければ審判を出す 申立ての手数料がかかる
法テラス、各弁護士会の法律相談センター 法律相談、弁護士の紹介 無料と有料がある

総合労働相談コーナーは、解雇・雇止め・募集採用など幅広い労働問題を扱い、面談か電話で相談できます(土日祝・年末年始は休み)。労働基準法違反の疑いがあれば、労働基準監督署などに取り次いでもらえます。助言・指導やあっせんを求めたことを理由に、会社が解雇などの不利益な扱いをすることは法律で禁止されています。

労働審判は、まず話し合いでの解決を目指し、まとまらなければ労働審判委員会が判断を示す手続きです。審判に2週間以内に異議が出されると、訴訟に移ります。

本採用見送りが無効と判断されたら

本採用見送り(解雇)が無効と判断されると、雇用は続いていたことになります。厚生労働省の裁判例のまとめに載っている事案でも、働く人の側から、社員としての地位の確認や、働けなかった期間の賃金の支払いが求められています。相談に行く前に、職場に戻りたいのか、退職を前提に条件を話し合いたいのかを考えておくと、相談先で話を進めやすくなります。

中央労働委員会は、労働委員会で実際に扱った事件を参考に作った事例(設定は架空)を公開しています。その中に、3か月の試用期間の満了直前に本採用を拒否された一般事務の人の例があります。理由を問いただすと「適性がなく勤務態度も不良」とする解雇理由証明書が出され、あっせんでは、上司の指導に不十分な点があり理由に合理性がないと判断される可能性が会社に示されたうえで、解決金を払う形で合意しています。

会社に撤回を求めたい時は、次のように伝える方法があります。

本採用を見送るとのご判断について、ご指摘の〇〇の点は、〇月以降のご指導を受けて改善に取り組んできました。判断の撤回、または改善の状況を踏まえた再検討をお願いできないでしょうか。

パート・アルバイト・新卒・公務員の本採用見送り

働き方によって、考え方が少し変わります。

働き方 本採用見送りの考え方
正社員・期間の定めのない契約のパート この記事の内容がそのまま当てはまる。本採用見送りは解雇
契約期間のあるパート・アルバイト・契約社員 期間の途中で辞めさせるには、やむを得ない事由が必要(労働契約法17条)。期間満了で更新しない(雇止め)場合も、更新が繰り返されていたり、更新を期待する合理的な理由があったりすれば、合理的な理由が必要(同19条)
新卒 新卒の本採用見送りも扱いは同じ。三菱樹脂事件も、大学を卒業してすぐに採用された人の本採用拒否が争われた事案
公務員 民間の試用期間ではなく「条件付採用」という別の仕組み。6か月の期間を良好な成績で勤めると正式採用になる(地方公務員法22条、国家公務員法59条)。所属先の人事担当に確認する

パートやアルバイトの本採用見送りでも、雇われた目的が適性を見ることなら、契約期間が書かれていても試用期間と判断されることがあります(神戸弘陵学園事件)。「契約期間が終わったから」と言われても、それまでの更新の回数や、採用の時の説明を確認してください。

本採用見送りのあとの失業保険

本採用見送りで離職すると、離職票に書かれる離職理由によって、失業保険(雇用保険の基本手当)の支給が始まる時期などの扱いが変わります。会社が書いた離職理由が事実と違う時は、ハローワークで異議を伝え、事情を説明できます(確かめよう労働条件Q&A)。

試用期間で解雇された時の失業保険と、会社都合・自己都合の違いについて詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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自分から本採用を断りたい時と、本採用になる時の流れ

逆に、自分のほうから本採用を断りたい(試用期間で本採用拒否したい)場合もあります。期間の定めのない契約なら、試用期間中でもいつでも退職を申し出ることができ、申し出から2週間で契約が終わります(民法627条1項)。試用期間の終わる日で辞めたいなら、遅くともその2週間前までに申し出ます。

試用期間の終わりが近いのに何も言われない場合は、本採用の通知や手続きがあるのかを、上司か人事に確認しておくと安心です。本採用になる時の通知の有無や手続きは、会社の就業規則や契約によって違います。本採用後の給料や社会保険の扱いもあわせて確認しておきます。

試用期間が終わったら何が変わるのか、本採用の通知と手続きについて詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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よくある質問

本採用見送りについて、知恵袋などのQ&Aサイトでもよく見かける疑問に答えます。

本採用拒否は、試用期間のいつまでに伝えられますか?

本採用見送りだけを対象にした通知の期限はありませんが、本採用見送りも解雇なので、入社から14日を超えていれば、雇用を終える30日前までに予告するか、足りない日数分の解雇予告手当を払う必要があります(労働基準法20条・21条)。試用期間の終わる日で雇用を終えるなら、通常はその30日前までに予告されることになります。

本採用見送りの理由を教えてもらえません。どうすればいいですか?

解雇の理由を書いた証明書を請求できます(労働基準法22条)。会社は遅れずに交付しなければならず、交付されない時は労働基準監督署に相談できます。口頭で説明を受けた場合も、書面でもらっておくと相談の材料になります。

試用期間満了で本採用拒否されたら、すぐ辞めないといけませんか?

予告された最終日までは雇用が続いています。最終日より前に自分から退職届を出すと、解雇ではなく自己都合の退職として扱われることがあるので、出す前に離職理由の書き方を確認してください。

試用期間を延長されたあとに本採用見送りになった場合は?

延長のあとでも、本採用見送りが解雇にあたることは変わりません。入社から14日を超えているので予告か予告手当が必要で、解雇理由証明書も請求できます。延長の期間中にどんな指導を受け、何を改善したかの記録が、理由を確かめる時の材料になります。

試用期間中に妊娠が分かったら、本採用見送りになりますか?

妊娠や出産を理由とする解雇は、男女雇用機会均等法9条で禁止されています。妊娠中と出産後1年以内の解雇は、会社が妊娠などを理由とする解雇ではないことを証明しない限り無効です。試用期間中でも同じなので、妊娠が分かった時期と本採用見送りを告げられた時期を記録し、総合労働相談コーナーに相談してください。

出典